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自然の洗礼 [ダイビング]

前回からの続きです。 

パラオ共和国ペリリュー島。

map.jpg

 

Greyreef_shark.jpg
(2007年4月撮影 グレーリーフシャーク) 

ペリュリュー島はパラオの中でも最も南に位置していて、周辺の流れは、パラオの中でもっとも強く複雑と言われています。

強い外洋性の流れが集中するので、タイガーシャーク、ジンベイザメ、カジキなどの大型回遊魚に遭遇できるチャンスも。マッコウクジラやシャチなど超大型の目撃例も多いのです。

上の写真はグレーリーフシャーク(オグロメジロザメ)の群れ。ペリュリューカットからペリュリューコーナーへ。潮上に向かって一緒に並走しました。

ペリュリューでの流れの強さや方向はガイドでも予測しづらいそうで、自分でも常に水深や流れの方向に注意を払うことが必要。そしてガイドが出す指示は状況で瞬時に変わるので、絶対に視界の中にガイドを置くことが重要になります。

死亡事故も多い。

そんな事情、全て頭に入れていたはずなのに。。。

さて、ここからが昨日からの続きです。

その日は、ドロップオフを右手に見ながら、島の東側を南端のペリュリューコーナーへ流していきました。

先端のリーフ、水深約25mほどの棚につかまり止まる。

「いた!」ロウニンアジです[目][どんっ(衝撃)]

たいがい彼らがいる場所はダウンカレント(水底に向かう潮の流れ)がかかりはじめる水深40~50mの付近。

強いダウンカレント。。。これに捕まったら一気に水底までもっていかれ、戻ってこれない。

rounin_5.jpgしかし、この時はかなり浅瀬にロウニンアジが上がってきていました。

ガイドがオクトから泡を出し彼らを引き寄せます。

ガイドの合図で棚から手を離す。

アジ独特なメタリックな体が、蒼い水の中からどんどん湧き出るように浮かんできました。

あっという間に700~800匹の群れの中へ[ぴかぴか(新しい)]

上の写真を見ると、ダイバーの吐いた泡が顔の前でうず巻いてます。

ダウンカレント入ってきていました・・・。

もう夢中でシャッターを切っていました[カメラ] 私だけでなくガイドも含めて皆一気にテンションが上がっています[ハートたち(複数ハート)]

rounin_2.jpg

rounin_4.jpg 

ところが、チームの一人がそのダウンカレントに捕まったのです。

アシスタントガイドが助けに行ったらしいのですが。

・・・助けに行ったらしい?

私はその状況を知りません。

自分も大変な事になろうとしていたのです。

 

rounin_6.jpg右の写真、上の写真とは異なり魚の向きが逆になっています。

そう、私は700、800匹の群れの壁の外側に抜けているのです。

ガイドのタンクをガンガン叩く音が聞こえています。

「戻って来い!!」の合図です。 

うっすら、ダイバーが棚の方へ戻っていくのが見えます。

 

必死にフィンキック。パラオや与那国用に買ったハードなフィン。こんな時のためにも日々スポーツクラブで鍛えていたのに。

たちうちできる潮の流れではありませんでした。 

激流だった。。。

ガイドのタンクを叩く音がどんどん小さくなる。棚や他のダイバーが一気に小さくなっていく・・・。

 

海の洗礼を受けました。

はじめてのLOST。。。

漂流です。

 

私は水深35mほどの地点、沖だし出しのカレントにはまり一人そのまま漂流。

流されながらも水深だけはチェック。絶対ダウンカレントだけには巻き込まれないように。以外にも冷静な自分がいました。

そして流されながらもフロートシグナルを上げて緊急浮上。しばらくして(そのしばらくが、とても長い時間に感じた・・・)ボートが迎えにきて事なきを得ました。ボートの上には先にダウンカレントに捕まった男性が真っ青な顔をして天を仰いでいました。

決して自慢をしているわけではありません。一瞬死ぬかもしれないと思ったのですから。でも自分の日記なのできちんと残しておこうと思いました。

そう。ダイビングは楽しいことばかりではないのです。常に死と隣り合わせにあるスポーツであるということ、身を持って体験しました。

ダイビングだけでなく、自然相手に遊ぶということはそういう事。いつもそれを頭に置いていなくてはいけないし、その為のトレーニングも積んで置かなければならないと思っています。

 

どんな人為、人力を尽くしても自然には敵わない。

でもそんな自然相手だからこそ、得られる感動は計りしれず大きいのです。

rounin_1.jpg
全てロウニンアジです。 
(2007年4月 ポイント:パラオペリュリューコーナー)

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コメント 20

HAL

ペリリューはけっこう死んでますからね。

注意しなくちゃならないのはわかっていても、
目の前の感動に我を忘れて夢中になっちゃいますよね。

でも、注意しなくちゃ!
by HAL (2009-12-08 01:39) 

aura-aura

HALさんへ
コメント、ありがとうございます!
海の素晴らしさ、きっと怖さも十分知ってらっしゃるだろうHALさんからの忠告、とても心に沁み入ります。

海は陸ではない全く違った環境、本来ならば人間が生きていられる場所ではないのですから、余計に冷静さ失ってはいけませんね。

by aura-aura (2009-12-08 02:12) 

ram

aura-aura さんの貴重な体験
ドキドキして読ませていただきました。
海の中、自然の美しさに感動していましたが
命を落とすかもしれないということ
ダイビングは覚悟のいる
生半可な気持ちでやってはいけないスポーツなのですね。
(他の自然を相手にするスポーツも同じですが)

でもaura-aura さんが
ご自分を冷静に保つ精神力、体力も準備なさっていたから
事なきを得て、よかったですね。
日ごろの準備は大切ですね。
by ram (2009-12-08 13:46) 

リンさん

大変でしたね。
掴まった人も無事だったようでホッとしました。
きれい、きれい、だけじゃない。
危険と隣りあわせなのですね。
素敵な写真と、貴重な体験を記事にしてくれてありがとう。
by リンさん (2009-12-08 17:14) 

aura-aura

ramさんへ
いつもありがとうございます。
ダイバーとしてはとても恥ずかしいというか、ナンセンスなことなので、
記事にするのはどうかと思いましたが。。。
貴重な経験になったのできちんと記憶にとどめておこうと思いました。
長い文章、お付き合いありがとうございました^^
by aura-aura (2009-12-08 20:33) 

aura-aura

リンさんへ
ありがとうございます^^
ダウンに掴まった方は、私以上に危険な状態だったと思います。
ガイドの方って凄いです。
透明度抜群の蒼い海の中、魚達が次から次へとショーを始める、そんなパラオの海ですが、一瞬の油断が命取りになる厳しい海なんです。
by aura-aura (2009-12-08 20:50) 

島酔潜人

ローニンの群れは、すごいですね!

でも、怖い思いをされたんですね。
経験で済んでなによりです。
普通ならパニくるところですが、冷静に対処できたのはさすがです。

海は楽しい反面、時には怖い一面を見せるので気をつけなければ..
私も、いろいろな海遊びをやっているのでが、何度か危ない目にあっています。
やはり、五感を研ぎ澄ますことと、スキルを磨くことが重要ですね。
海、楽しみましょう!
by 島酔潜人 (2009-12-08 21:51) 

ちろろ

びっくりしました。
最初はきれいな写真に目を奪われ、文章を読んでいくうちに
だんだん自分の背中まで凍りつくようでした。
今もまだ、ドキドキしています。

aura-auraさん
よかったー!
by ちろろ (2009-12-08 22:36) 

aura-aura

島酔潜人さんへ
コメントありがとうございます^^
島酔潜人さんも色々と経験され、それが筋肉になって、海をより一層楽しめるようになっているんでしょうね。

おっしゃる通りですね!「五感を研ぎ澄ます」
すごく大事な事ですね。
普段の生活の中でも、自身を守ることにつながるし、感性豊かな楽しい生活が送れるのだと思います。
by aura-aura (2009-12-08 22:43) 

aura-aura

ちろろさんへ
ちょっと長い文章になってしまいましたが、
お付き合いいただき、ありがとぉ~ちろろさん^^
自分でも、書きながらあの時の状況がよみがえってきて・・・。
ケガも何もなかったから、今こんな風に書けましたけれど。
でも海。。。怖がらないで下さいね。母なる海です。

by aura-aura (2009-12-08 22:54) 

kachan

どんな人為、人力を尽くしても自然には敵わない。

でもそんな自然相手だからこそ、得られる感動は計りしれず大きいのです。

のコメントに感動しました。すごい体験されたのですね。でも、大いなる地球の自然は素晴らしいですね。
by kachan (2009-12-08 23:52) 

ibiza_wine

とにかく、無事で何よりでした。

僕は一度、与那国のダンノドロップで流されて、一人で浮上したことがあります。他のダイバーが見えているのに近付けない、徐々に離されていく時の焦り、不安、恐怖は言葉では表せないです。

海の中でどういう状況に置かれるかは予測が出来ない。だから、一人でダウンに捕まった時のことを陸の上で、予め、想定した上で潜ることなんて出来ないと思う。
でも、そういう状況で、パニックにならずに冷静でいられたのはやはり今までのご経験があったんだと思います。あと、無理に戻ろうとしなかったのも、大きな要因だと思います。

どれだけ、スキルを磨いても、自然に対しては無力。
常に謙虚でありたいですよね。



by ibiza_wine (2009-12-09 01:26) 

トックリヤシ

ロウニンアジの壁、も一度見たいものです。
でももう無理かな・・・^^;
by トックリヤシ (2009-12-10 15:30) 

aura-aura

kachanさんへ
ありがとうございます^^
普段、あたりまえのように呼吸して、太陽の温かさを感じ、
作物の恵みをいただいているけれど、よくよく考えると
人間は自然に生かされているんですよね。
私はこの経験で自然の脅威を体で学びましたし、
体で感じてしまった分一層、自然に惹かれてしまっています。
by aura-aura (2009-12-11 18:47) 

aura-aura

ibiza_wineさんへ
ibiza_wineの貴重な体験もコメントしていただき、ありがとうございます。

ペリュリューはほんの10cm上下しただけで流れが全く変わるそうですね。
恐ろしい潮流です。行く前から色々な噂は聞いていましたが、まさか自分が
こんなことになるとは・・・。カメラのファインダー越し海を見ていたわずかな
瞬間で、一瞬自分の水深が上下して流れに捕まったのだと思います。

おっしゃる通り、自然に対しては常に謙虚な気持ち忘れてはなりませんね。
by aura-aura (2009-12-11 18:59) 

aura-aura

トックリヤシさんへ
石垣でも見られますか?
私がロウニンアジを初めて見たのは、与那国島でした。

普段単独でいるあの大物が群れをなすということは、理由があるのでしょうね。きっと生存競争も厳しい海だからなのだと思います。
by aura-aura (2009-12-12 00:25) 

つなみ

なんと、語貴重な体験を
記事にしてくださってありがとうございます。
とにかくご無事で何よりでした。
自然といのち。
ほんとうに、自然とは偉大なものですね!
そして、なんと神秘に満ちているのでしょう。
いのちとは、自然とは
そして地球とは・・。
とても素晴らしい記事です。ありがとうございました。
by つなみ (2009-12-12 20:01) 

miwa

実は、私もパラオのブルーコーナーで怖い思いをしたことがあります。
ガイドがアップカレントに注意!ってスレートを見てた瞬間に・・・
アップカレントにつかまってしまった事があります。上に引っ張られた
瞬間ビックリして一瞬、頭の中が真っ白になりましたが、他のダイバーが
手招きしてるのを見てなんとか自力で抜け出せました。
海の怖さを思い知らされた一瞬、、あの時の事がよみがえってきました。
by miwa (2009-12-12 20:21) 

risingmoon

ペリリューではこんなに大群になって現れるんですね~!
壮観です!!
これはわれを忘れてしまいそうになる・・・><
私も気をつけなければと教訓になりました。ありがとうございます。

by risingmoon (2010-02-10 18:18) 

aura-aura

つなみさん、miwaさん、risingmoonさん ありがとうございます。レス遅くなりましたm_ _m

つなみさん
「いのちとは、自然とは、そして地球とは」、まさにおっしゃる言葉通りの、貴重な体験でした。人間のちっぽけさを感じます。

miwaさん
ブルーコーナですかぁ。。。あのポイントも色々と聞きますよね。
私が潜った時も、カレントフックがからまって大変な事になっていた人もいました。miwaさんも私も、その貴重な経験が血となり肉になりましたね。

risingmoonさん
うわさに聞いてたペリュリューです。しかも初めて行っていきなりロスト。
海の怖さ、ホント身をもって体験しました。凄いもの魅せられたら、誰も舞い上がってしまいますが、一瞬が命取りになる海でした。
でもこの海、大物好きにはやはりたまらない場所です・・・^^

by aura-aura (2010-07-25 12:13) 

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